インテリアに華やかさをプラス 天井や壁を彩るモールディングの魅力
モールディングとは、壁や天井などに、飾り彫りや段差のあるデザインで意匠を施す建材です。もともとはギリシアやローマの古典建築に見られる大理石や石膏を削りだした華麗な意匠を指していましたが、次第に欧米の内装材として、石膏や木材のモールディグが用いられるようになりました。 彫ることによって凹凸をつけたモールディングは、陰影によってモチーフを浮かびあがらせ、平面的な壁や天井にメリハリのある演出をつくりだします。 近年では、より軽量な材質で作られたモールディングが製品化され、インテリアに輸入住宅らしい趣をくわえる内装材やリフォーム建材として活用されています。
設置場所によって異なる モールディングの種類
一般的には細長い棒状が多いモールディングですが、実は使う場所によってさまざまなサイズ、デザインの製品があります。代表的な例を紹介してみましょう。
モールディングの種類と説明
① クラウン/廻り縁
天井と壁が接するラインに使用します。装飾として以外にも、天井と壁の隙間をおしゃれに隠す役割があります。
② パネルモールド/壁面装飾
平面的になりがちな壁面のアクセントとして、また、壁面にかける鏡や、絵・写真などのフレームまわりを美しく飾る額縁のような役割を果たします。
③ チェアレール/腰見切り
もともとは椅子を引いたときにぶつかって壁が傷つくのを予防する用途がありましたが、現在では装飾や、上下で異なる壁の仕上げをするときの境目として用いられることが多いモールディングです。
④ ベースボード/巾木
日本でもおなじみの巾木も、モールディングの一種。壁と床の境目に使用し、足が当たりがちな壁面の保護や、壁と床の間に隙間ができないようにする役目を持っています。
⑤ コーナー/コーナー材
ふたつの壁がであって内向きにへこんだ部分を入隅(いりずみ)、外向きにでっぱる部分を出隅(でずみ)といいます。そのコーナー部分の装飾と保護に用いられるモールディングです。
⑥ ケーシング/付枠材
ドアや窓の枠飾りとして用いられるモールディングで、壁との隙間を埋める役割も果たします。
装飾的なものからシンプルなものまで 夢が広がるモールディングのデザイン
モールディングはもともと、西洋の古典建築に用いられた装飾彫りを原型としています。このため、装飾用のものはギリシアやローマにルーツを持つ、幾何学模様や繊細な輪飾りのデザインに人気があります。
一方でモダンな家にしっくりとなじむ、ライン彫りのもの、半円形のものなど、シンプルなデザインのモールディングも増えて、選ぶ楽しさがどんどん広がっています。
ロビンスジャパンの実邸で採用されたモールディングのバリエーション
すっきりとしたライン入りのモールディング
玄関ホール壁面の上下を区切るチェアレールに、すっきりとしたライン入りのモールディングを使用。白壁と水色の壁紙が生むすっきりとした奥行き感に、さりげないアクセントを加えています。
上品な陰影を表現する薄いパネルモールド
大きいけれど薄いパネルモールドで、純白の空間に上品な陰影がうまれます。あとでお気に入りのアートなどを飾る際には、ちょうどよいフレームになってくれそうです。
デコラティブなモールディング
ベッドルームのクラウンに、凹凸がくっきりとでるデコラティブなモールディングを採用。昼の光と夜の灯りで、異なる表情を見せるゴージャスなモールディングの使い方です。
飾り彫りの入ったモールディング
クラウンには飾り彫りの入った愛らしいデザインのモールディングを、リビングをのぞく小窓には、額縁のような存在感のあるケーシングをつけ、白基調の内装にアクセントをつけています。
手軽なリフォームにも活用したい モールディング
モールディングは内装の最後の仕上げに使われる建材。モールディングをつけることで、それまでシンプルだった壁や天井の印象が大きく変える効果があります。
また、軽量な仕上げ材ですから、既存の内装をリフォームする際に付け加えたり、家具などにはりつけておしゃれにDIYしたりといった、手軽さも大きな魅力。
多彩なデザインのモールディングがありますので、メーカーサイトなどをチェックして、好みのデザインのモールディングを探してみるのも楽しいものです。
国内屈指のモールディングメーカー/みはし株式会社